おたまに―SFX × Magician of Black―魔導管理局の黒き死神―
「o-ta-ku達の壁、戦いの幕開け」
変装をした俺達は、例の場所へと移動する。空き地になっている、ただの荒れ地へと。
3つのドラム缶が、配置してあった。重ね合った木の板が、コンクリートの壁にもたれかかっている。
その下には釘が散乱し、その先には大工道具があった。――ほったらかしにしている状態だった。
ここで、家を立てようと計画しているのが、目に浮かぶ。なぜ、こんな場所で、露の仲間が消えたんだ?
「マスター。ここに、魔力の反応があります」
ビィは無表情のまま、俺に告げた。その声色に、緊張感があった。
「調べることができるか?」 「任せてください」
俺の問いかけに、彼女は淡々と答えた。両目をつぶり、両手で掬う動作をした。
「魔術展開」短きワードを口ずさむと、俺達のいるフィールドが白光した。粒子が天に舞っていく。
刹那、赤黒い光と青黒い光の2つが、まばらに点々と妖しく放たれていた。これは……一体……!?
露がその二つのものを眺め、険しくなった。正体を見極めようと、推理をし始めた。
「どちらかが、特撮ヒーロー定番の、時空移転装置ね。
これを罠に入れて、香島君を別の異次元に連れ去った……。
――さすが、フェーデ。やることが小細工過ぎる」
感嘆な声とともに、状況を楽しんでいた。地に埋められた様々なものに目を向け、分析する。
「どちらかの片方は、何なのかはわからないけど――。たぶん、あの魔獣を引きよせたものね」
俺は彼女に向けて、怒りに満ちた声で訴える。
「何を呑気に言っているんだ!?お前の仲間が消えたんだぞ!?」
「あら?そっけないふりをしているくせに、私のことを心配してくれるなんて?」
露はわざと恍けて、大げさに言った。にやにやするんじゃねえ。お前は、デュオか?
……もし、目の前にいる存在が男だったら、完全に張り倒しているぞ。
ビィはそんな彼女に対して、冷静に指摘をする。
「露さん。遊戯にならないで、質疑さんを探すのが先決です。
それに、まだ――敵が潜めているようですし」
最後の言葉と同時に、それはやってきた。敵意の気配が充満するそのもの達が――。
赤黒い光を放つ装置の中から、ジャンルの問わない魔獣が続々と現れた。
唸り声を上げて、飛び出す人外達は、悪魔を統べる使者か。
青黒い光を放つ装置の中から、黒騎士軍団が次々と出現した。
青のタバードを着た、漆黒の戦士。人間なのか?
「昨日の魔獣とよく似ているわね。それに、フェーデの属する“ヘラルド”つき――」
露ののんびりな口調に、俺は思わず舌打ちをする。
「……発生率が高すぎるんだよ。どんだけ、俺達に挑むんだ……」
俺とビィならともかく、露は魔法もできない一般人で力がない……。
彼女を守りながらの制限というわけだな……くそっ。