おたまに―SFX × Magician of Black―魔導管理局の黒き死神―
「縁あり、同行者あり、そしてma-ni-aあり」
縁というものは、一度、繋ぎあったものは手放さない。今回の件も同じだ。
この世界での、異質の存在である質疑とセーブル。彼らの目的に、俺は協力するしかない。
正義?使命?誓い?それは、違う。誰かに決められたことではなく、俺の意思で運命づけたものだ。
俺と対等に見た、あの二人。お世辞ではない、純粋に俺の力を求めていた。
彼らの願いに、俺が答えないわけにもいかない。
今、俺達はデュオの元で、ある事件の捜査をしている。
リュウとビィの捜索と、多発した魔獣の退治および無限装置の破壊。
質疑は仕事が見つかったと大喜びをしていたが、俺は複雑な心境だ。
そのわけは――このメンバーの所為だ。
デュオ、ミリーネはともかく、クール・ホワイトがいる時点で、良からぬことが起きそう……。
参加者は幸い、彼女を除くこの4人だけど。もし、参加であれば、緊迫したムードが漂っていたことだろう。
ストレートの銀髪。金色の瞳。冷徹な眼差しは、経験上生かしたものなのか。
ほっそりとした体格には、想像もつかない修羅場でもあるというのか。
クール・ホワイトこと、フリジア・パールズ。34歳にして、機動部隊第一隊隊長。AA+の魔導士。
彼女は質疑を見るなり、近づいてきた。その前に立ち止まると、挑発を仕掛けてきた。
「お前が、香島質疑か……。これが、オルドネ・ホープと呼ばれるものか。
ふん、貧相な顔立ちをしているな。こんな奴に、役割が務めると思うのか?」
鼻を鳴らし、相手の反応を待っていた。いきなり、嫌味から来ましたよ、この人。
話さなければ、尊敬の念があったかもしれない。どうして、俺の周りには、我の強い人がいるのか。
質疑と並べてみると、向こうのほうが長身であろうか。背丈が少しの差があるだけで、そんなに変わらない。
俺とミリーネはおろおろしているが、質疑は相手の顔を見つめただけだった。瞬きをしてからの肯定。
「あんたから見れば、俺はひ弱な存在かもしれないな」
相変わらずの受け身体勢だな、この人。誰にでも、馬鹿にされていても……真正面に立ち向かう。
「ふんっ。素直に認めるのだな。プライドのない奴め」
彼の答え方に、フリジアは嘲笑った。彼は呆気にとらえていたが、柔らかな表情に変化した。
その反応に、フリジアは面白くなさそうに、鼻で笑った。
「ヘマをするなよ。お前が欠ければ、周りは崩れるのだからな」
「ああ、わかっている。できる限り、全力を尽くすよ」
質疑は穏やかな顔つきで、快く応答していた。だが、彼女の反応が違った。
その顔が歪み、冷ややかな口調になって、突っ込みを入れる。
「できる限りではない。本気でやれ。でないと――お前の首はこうだ」
捨て台詞を吐くと、手刀を彼の首の手前に、素早く入れ込んだ。
僅かな呻き声を上げる彼に、フリジアの口の端が広がった。
「――覚悟をするんだな」目を見開く質疑と、息を呑む俺とミリーネ。
意地の悪い笑みを浮かべるデュオと、俺達の対称的だった。
あの司令官、その場を楽しんでいやがる……やはり、悪趣味だ。質疑に同情するな。
そう思って、フリジアとの交互で見ていた。ふと、彼女はデュオに振り返った。
彼に向かっての、凍てつく脅しを言い放つ。
「貴様、良い身分だな。自分は楽しようと思うなよ」
フリジアのひと睨みで、デュオの顔はひきつっていた。
ヤンキー睨みにふさわしい、眼光……。蛇に睨まれた蛙。……こ、怖いな……。