おたまに―SFX × Magician of Black魔導管理局の黒き死神

「ma-ni-aには、宇宙人なりの理がある」

 

『質疑、巻き込んだ責任を果たしてもらうぞ。我の代わりに、事情を話せ』

セーブルに急かされて、質疑はしぶしぶと承諾をする。関係者でもある俺に、身の上事情を話した。

犯罪侵略“フェーデ”による、自力救済――。人々の中に紛れ込んだ、犯罪じみたものだ。

恐喝、見返り、盗難、殺傷……。それらが、重なり合ったとき、混沌の世界が避けられない。

自分の物は奪い返すという犯行が、不況の社会に成り立っている事実がある。

それを少なくとも減らそうとするのが――香島質疑が変身する、オルドネ・ホープだ。

このとき、クビになったばかりの彼。就職活動中の身にも関わらず、“フェーデ”との戦いに身を投じた。

「へえ〜〜。メタルヒーローか〜〜!それって、かっこいいな〜〜!」

俺の隣にいたサイルは、身を乗り出していた。目が純粋に輝いていた。

セーブルから質疑へと、尊敬の眼差しを送っていた。……特撮ヒーローものに、弱い奴。

彼の視線に、はにかんでいる青年がいた。こうして見ると、どこにでもいるような平凡な男だ。

『質疑に頼んだのは、紛れもない我であったが――人選を間違えてしまったようだ。

故に、目で覆いたくなるほどの、“運動音痴”だった。露が世話をするくらいの、苦労の連続……。

幸い、オーダーのおかげで、そんな心配はいらぬようになったが』

質疑さんが……運動音痴?俺の目は、知らず知らずに、彼に向けていた。

口を歪ませて、テレビ画面を睨みつける姿があった。怒った口調で、相手の名を呼ぶ。

「……セーブル」 『本当のことだ。否定はできまい?』

何事もなく、平然とする宇宙人。対等で、信頼感のある二人。羨ましい……。

『その話はこれくらいにしておいて――』

セーブルはいったん、呼吸を整えた。その後、俺のほうへ視線を向けた。

蒼の瞳が眼光鋭くなり、射てたまま動かない。淡々と語りかける。

『ロード・ダンデリオン。魔の闇を扱う、若き剣士か……ふむ』

一人で、納得をしていた。何を思ったのか。予想もしない提案をする。

『お前になら、安心できよう。我々を――元の世界に導く協力をしてくれないか?』

初めてのお願いだった。それも、俺一人だけで、頼まれ事。

サイルは目を丸くして、批判に満ちた訴えをする。

「正気か!?このストレンジ・ブラックに協力してくれだなんて!?

カラーコードも、ロクに扱えないんだぞ!」

……今、失礼なことを言ったな?無言状態で、サイルを睨みつけた。

沈黙の制圧に目もくれずに、セーブルを凝視し続けている。

獣人が答える前に、質疑が自信に満ちた答えを言う。

「サイル君、大丈夫だよ。ロード君は、いざというとき、俺達を助けてくれる。

たとえ、どんな失敗があったとしても――利点をこなせばきっと、勝利に導いてくれるよ」

それは、俺に対する信頼だった。この男は、なぜここまでにして俺を――。

『それが、香島質疑という男だ。誰であっても、対等に付き合う。性別や種族を問わずにな』

俺の心の秘めたる内を、セーブルによって見透かされた。

 

 

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