携帯、指先、灯る熱。
指先に感じた熱に、何度目かのため息をついた。もう、ばかばかしいと思えるくらいだった。時計を見て、三時間以上経っていることを確認すると、どっと疲れが全身に乗っかった。
「バカだよなあ、あたし」
指先が異常に熱い。ベッドに横たわっているのに、体は無駄に緊張している。顔を枕に埋めて、足をばたばたと動かした。いっそこのまま、どこか遠くへ行けたらいいのに、と思っていても体はベッドから動くことはない。もう一度、「バカだなあ」と呟いて顔を上げた。
「……あれ?」
目の前に広がるのは、黒。その色を認識した瞬間、先ほどまであった指先の熱さも、全身の疲れも緊張も、どこかに消え、代わりに熱という熱がなくなった、気がした。
「う、うそ?! うそでしょ?!」
慌てて起き上がり、ずっと手にしていた携帯電話のボタンを連打する。が、反応もなく、画面は真っ黒だった。つまり、電池切れというヤツだ。
「……最悪……」
再び全身に疲れが、それもさっきとは比べ物にならないくらい重いものが圧し掛かった。
人が何時間かけて考えたと思ってんだ、と真っ黒な画面を睨む。しかし、打った文字は十文字にも満たない。
『好きです。』
立ったこの一言、あの人に送るだけに何度文字を打ち、何度文字を消したことか。
「……バカだよなあ、あたし」
起き上がり、携帯電話に充電コードをつないだ。赤いランプがついたのを確認して、またベッドに倒れこむ。
「もう、口で言ったほうが早いよ」
それができれば、苦労はないのに。目を閉じながら、何度目かになるかわからない、告白の文章を考え直すことにした。
友人の体験談をもとに書いたお話でした。 携帯電話で告白、というのはどうなんでしょうか。やっぱり思いを伝えるのは口で言ったほうがいいんじゃないのかなあ、と思うのですが……、でも口にするって言うのも難しいですよねえ……。 確実にベッドでごろごろしながら告白するのはダメだと思います(笑)やっぱりね、告白って頑張ってするものだと思うんだよね! あ、これ私の主観なのであまり鵜呑みにしないでください。わりとロマンチック思考入っているので(笑) |