#twnovel 11
◆知るわけないだろう。今まで誰かの血しか浴びたことがないのに。知るわけないだろう。今まで誰かの悲しみを背負うしかしたことないのに。目の前の小さな命に温もりを与える方法なんて、知るわけないだろう。ただ、この手で、君を優しく抱けるなら。俺の温もりを、分けてあげたい。(12.12.22)
◆偽物でも構いません。だから私に、愛をください。貴方が本物を嫌うことを知っています。貴方が真実を嫌うことを知っています。私との関係も偽りであることも知っています。でも私は貴方を真に愛しているのです。だから少しだけ夢を見させてください。貴方が好きです。(12.12.22)
◆無意味に流される言の葉に意味はあるのか。意味を有することを放棄した言葉は、ただの騒音だ。そんなものに音楽を乗せたら、騒音増強する。意味のない音声情報。僕が求めているのはそんなもんじゃない。鼓膜も魂も揺さぶるようなmusic。ギターかき鳴らして、叫ぶんだ。(12.12.22)
◆世界が滅ぶと言う噂は一瞬で流れ、そして世界は滅びなかったと言う結果も一瞬で伝わった。結果を知れば皆、それまで大騒ぎをしていたのが嘘のように日常に戻った。気付いていないのだろうか。花が枯れていること、風が冷たすぎること、空が暗いこと、また一人、消えていることに。(12.12.21)
◆カレンダーを全部捲り終わっても世界は終わらない。これほどまでに終わりを望んでいても結局終わりは来ない。世界中のカレンダーを全部燃やせば終わるのだろうか? そんなことしなくても、簡単だ。ペン先ひとつ、小さな世界は塗りつぶして滅ぼせる。(12.12.20)
◆魔法少女は笑う。私は全てをあなたに捧げているのに、あなたは私に何もしてくれない、と笑う。銀の杖はキラキラ輝き、彼女を絶望させた敵に突き刺さった。魔法を受けた敵は地面に崩れる。敵から開放された魔法少女はその場を去り、残ったのは、おかあさん、と呼ぶ声だけだった。(12.12.20)
◆魔法少女は笑う。本当は愛されたいと願っただけだった。本当は寂しさを誤魔化すだけだけだった。銀色の魔法の杖は、いつの間にか赤黒くなっているし、身体も何か生臭いような気がする。妖精はいない。そこにあるのは誰かの惨めな亡骸。落ちた魔法の杖は、現実に乾いた音を立てた。(12.12.19)
◆魔法少女は笑う。あなた、楽しそうね。私は苦しいのに、と魔法少女。かつての同級生は銀の杖を手にしっかりと握って私を見つめている。あんなに笑顔が素敵で、みんなを引っ張っていた彼女が、どうして。私を絶望させた敵は、消さなくちゃ。虚ろな目で、彼女は魔法を行使する。(12.12.18)
◆「オンナノコはみんな、魔法少女なのさ」妖精が言った。「キミたちに絶望を与える奴等は、みんな悪い敵なんだ」あまりにも人に似た姿をした妖精は口元に機械的な笑みを浮かべている。「敵を倒すのが、キミたち魔法少女の仕事だよ」銀色の杖を受け取った魔法少女は、狂気に踊る。(12.12.17)
◆魔法少女は笑う。あんたは敵だ、だから私が消す、と。光る杖は凶器。唱える呪文は暴言。助けて、と逃げる僕を魔法少女は追う。キラキラの魔法はナイフ。笑う声は狂気。さあ、とどめよ! 魔法少女は笑う。私を絶望させた悪い敵、と呼ばれた僕の手にあるのは、彼女との離婚届だった。(12.12.17)