#twnovel 10
◆「先生、ここ簡単に覚えられる方法ありませんか?」「そこのページを百回読めば、君でも覚えられるんじゃないかな?」「先生、おれに恨みでもあるんですか?」「恨みはないけど、私のテストでこの最低点を叩き出した理由を小一時間問いただしたいとは思うね」「……すみません」(12.12.16)
◆砕けた世界で、僕は何を見ただろう。目を閉じればまだ世界は鮮やかな色のままだと言うのに。手を伸ばせばまだ君がいるかもしれないと言うのに。僕の身体は動かない。天井が砕けて、少しずつ闇か広がる。僕の身体は冷たい。ああ、そうか、と納得する声も、きっと君には届かない。(12.12.16)
◆本を閉じる音がする。よい結末だった、と人々は言う。私も本を開き、中身を読む。何処かで見たことあるような物語は、何故か最後の頁だけ白紙だった。どうしてだろうか、と読み直すと、それは私の人生を記していたことに気付いた。よい結末だった、本を閉じて物語を終える。(12.12.14)
◆召喚の呪文はいらない。開かれた本の頁は白く輝き、僕の思いを強く示す。あとは願うだけ。それに応えるように光は強まる。出会えるはずだ。あの時空を駆けた友に。さあ、また僕らの冒険を――!セーブデータが消えて一週間。僕はまだ、あのスペックを越えるドラゴンを呼べていない。(12.12.14)
◆その白さは、幻想的と思うほどだった。「ふざけないでください、先生」僕のロマンチックムードをぶち壊すような彼女の声。「白紙が幻想的ならもう先生は小説なんて書かなくていいですね」彼女は満面の笑みで吐き出す。真っ白な原稿、お怒りの彼女。さて、どう物語を綴ろうか。(12.12.14)
◆白紙のページに流星が落ちた。空虚だった物語が僅かに煌めき出す。「綺麗だね! ほら!!」興奮する君。流星は休む間もなく落ちる。まだ白紙で、綴られ始めたばかりの僕らの物語。流星はまた、何処かの白紙に落ちる。(12.12.14)
◆何でもひとりで出来ると思っていた。青い光に導かれ、私はひとりでやってきていた。なのに、今じゃひとりでは何も出来ないと解ってしまった。弱い私、ダメな私。でも、そんな私を支えてくれる仲間がいる。大丈夫、私はもう、ひとりじゃない。青い光に導かれ、私は仲間と共に進む。(12.12.13)
◆ほら、また流れ星! 笑いながら言えば彼が答えてくれるかもしれない。淡い期待は星空の星と同じように消える。彼はいない。彼は、もういない。この世界に彼はいない。一緒に、と零れる言葉は続かない。彼と星が見れない世界なんて、あの星のように、(12.12.12)
◆星が流れたね、と君が笑う。僕が返事をするよりも、君が星を見つける方が早い。また、また! と笑う君に僕は笑みを向ける。君は僕に目を向けず、星だけを見ている。一緒に、と零れる君の言葉。笑う君の頬、伝う涙。震える身体を抱き寄せようとした僕の手は、君の身体をすり抜けた。(12.12.12)