#twnovel 01

◆世界を終わらせる言葉を、彼女は知っている。今は何事もなく晒しているあの左目にも、本当は力が秘められている。でも、彼女は力を制御する術を知っているから、一般人と同じ生活が出来るのだ。だが、僕はそれを許さない。「……エターナルダーク」「人の黒歴史を掘り下げるな!!」(12.10.01)

 

◆あの人はいつもわからない。変な格好、不思議な喋り方、意味深な言い方。それでも、あの人のそばにいるのが幸せで。自分はあの人に求められてるって、思えたから。なのに「バイバイ」、だなんて。胸が、苦しい。息が出来なくなる。それは、感情だけのせい、じゃない?(12.10.01)

 

◆美しい、と思った。ただ、それを手にしたいと思った。僕の手の内に納めてみて、ぎゅっと握りしめて、指の隙間から抜ける光を見てみたいと、思った。ただ、それだけだったはずなのに。「どうして君は、泣いているんだい? こんなにも美しい輝きがあると言うのに」(12.09.22)

 

◆ただの言葉の羅列だった。意味を持たないそれを、貴方が口に出しただけで、魔法の呪文みたいにきらきら輝くの。だから、お願い、「名前を呼んで」(12.09.21)

 

◆「お前の作るケーキはこんなに甘いのに」呆れ混じりに言うと、不機嫌そうな顔を向けられる。「甘いのに、何」苛立たしい声に甘さの欠片はない。「甘過ぎるとすぐに飽きるでしょ」これぐらいがちょうどいいの、と続けた言葉は、恥ずかしそうにそらした顔の向こう側に、消えた。(12.09.18)

 

◆好きだよ、って言って口づけをする。わたしも、と今度は君から僕に口づけ。こんな風に愛し合うことが、こんなにも幸せなことに、今更気づくなんて、僕も経験が浅いね。そう笑えば、わたしだけでいいの、と君がもう一度口づけた。(12.09.17)

 

◆「仕事はもう終わったんだろ?」後ろからかけられた声に、呆れながら振り向く。「……だとしたら、なに」言葉は、互いの口のなかに消える。絡み合う熱に、そこが誰も居ない仕事場であることを、忘れた。「……公私混同なんて、サイテー」「ん? 仕事は終わったって言ってただろ?」(12.09.11)

 

◆何を言っても止められないことはわかっていた。きっと、あいつは止めて欲しいなんてこれっぽっちも思っちゃいない。だから、俺はただ、見送るしかできなかった。「必ず、戻って来い」あいつは何も言わず頷いて、俺とすれ違って去って行った。止めることなんて、できなかった。(12.09.09)

 

◆変わらぬ日々に、幸せを感じられなかった。きっと、この日々から脱出したくてしょうがなかったんだ。だから、私は普通と違うことを求めていた。でも、本当は、そんな日々が幸せだったんだ。それに気づいたときには、もう、私は戻れない道に立っていた。(12.09.09)

 

◆好きと言えば私の物になると思っていたのに。結局あなたは私以外の人にも同じ事を言うのね。優しくても、あなたは残酷な人。「それ、botに言っても意味ないからね?」(12.09.08)

 

◆どうしようもないくらい好きで、遠目から見つめて、写真も集めて、ブログもTwitterもFacebookも毎日みた。でも、それだけじゃ足りないから、私は、あなたの所にいくことにしたの。「あの子、テレビに頭突っ込んで重傷らしいよ?」「確かに、重症だろうね」(12.09.07)

 

 

 

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