もしも全てを溶かすものが酸とするなら、その逆は全てを元に戻してくれるのだろうか

アルカリダイブ

 

別れの言葉を告げた彼女に、僕は何も声をかけられない。なんと言えば、彼女を引き止める事が出来たのだろうか。

「・・・別にね、君が嫌いになった訳じゃない」

「じゃあ、何で?」

僕が尋ねると、彼女は僅かに俯いた。そして、静かに顔を上げて「ごめん」といった。

「私、君に相応しいとは思えなくって」

「・・・そうかな」

「うん。」

そして、彼女は深く礼をした。

「ごめんなさい。」

何もいえなかった。なんと言えば、なんと言えば彼女を止められるのか。

 

まるで一瞬で終わってしまう。でも、もう一度僕に力があるなら。

酸性の逆はアルカリ性?なら、溶かすものを元に戻してくれるんだろう。

 

「ごめんなさい。」

激しく僕を溶かす酸を、止める方法なんてないけれど。せめて、その痛みを和らげて、

僅かな幻想を求めて、僕はすぐに   アルカリダイブ  ほら痛みが少し止まっただろう?

 

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