君の感情は僕によって変わるのなら、僕の感情も君によって変わるのだろう。

14濃度

 

君がぼろぼろと泣いていた。ああ、またひとときの感情による、喧嘩?とは違うようだ。

「嫌い」

僕は面と向かって、君に言われた。やはり、そうか。僕はそう思って「うん」と頷いた。本当は、手放したくないけれど、本当は、一緒にいたいけれど。

「嫌い」

「そうなんだ」

「だから、別れたいの」

何番目の感情だろうか。何度も君の感情を観察していたけれど、そうかこれは新しい感情のようだ。

「そうなんだ」

「とめて、くれないの?」

本当は、手放したくないけれど、本当は、一緒にいたいけれど。僕は頷いた。

「嫌い」

その言葉に、今まで聞いたような軽さはなかった。深く、濃い言葉。僕の耳に、僕の心に纏わりつく。

「ああ」

とめろ、とめろ、と僕が叫ぶ。けれど、彼女が求めることだから、と止めている。深く深く色がよどむ。

少しずつ、君の表情が歪んで、少しずつ悲しげな顔をした。そして、最終的には泣き始めた。

「じゃあ、お別れだね」

僕が言うと、君は嫌だ嫌だとわめき始めた。僕が少し反応を変えただけで、そんなに単純に変わるのか?と、疑問に思ってしまった。

色が変わって、また元通り?ココで、僕が「冗談だよ」といえば元通りの関係が出来るだろう。けれど、違うんだ。彼女はこんな結末を求めてはいないんだ。

「バイバイ・・・」

泣きわめく君の言葉を無視して、僕は歩き始めた。

なんて君は、薄い人間だったんだろうね。

科学の世界の  14濃度  僕の感情はそれだけでは足りない

 

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