この目が開くときは
そして、また朝に目覚める。もう、やめてくれ。朝なんて、大嫌いだ。けれど、残酷にも朝は来てしまう。何故、朝というものがこの世に存在するのだろうか・・・理解できない。
そう思っていても、朝は来る。嫌だ、嫌だと泣いても地球がまわる限り、朝が来てしまうのだ。
「おはよう」
カーテンの開かれる音。太陽の光が、俺の顔に当たる。そのまま、体が揺れる感覚を覚えた。
「ほら、起きな。ほーら」
そう言って、さらに体が激しく揺れる。頭がゆれて、脳味噌がぐちゃぐちゃになるんじゃないかと思えてしまう。やめてくれ、ただでさえバカな脳をもってる俺なのに、これ以上バカにしないでくれ。
「おーきーろ!」
揺らされる上に怒鳴られた。寝起きの脳は完全に覚醒していないのに、そんな意地悪をしないでくれ。頼むから。きっと俺が頼んでも、やめることはしないだろう。むしろ激しくなってしまいそうな・・・。
「ほら、起きなさい!」
とどめと言わんばかりに、シーツを一気に剥がした。暖かくなったこの時期でも、寒いものだ。けれど、ここで起きたら負けだと思っている。
「ほーら!!!」
背中を強く平手打ち。痛い痛い、これは絶対背中に後がついている。今日体育とか無くて良かった・・・と今更感動。
「おはよう!」
耳元で叫ばれる。コレはきっと難聴になってしまうだろう。
「…おやすみ」
そう言って、俺はシーツを奪って頭まですっぽりと入った。「あぁ!?」と叫ぶ声がまた耳に響く。だから、声がでかいんだよお前は。
「何がおやすみよ!!もうはーちーじ!ちーこーく!!」
「んー、俺には、関係ねぇ…」
「関係しかない!!」
朝からよくそんなに怒鳴る力があるなあと関心した。絶対俺には真似できない。いや、真似したくない。
「ほーら、おきーて!!」
ん、イントネーション…というか発音が変だ。『おきーて』…いや、普通なら『おーきて』と甘い声で言って欲しいものだ。そうすれば、起きる気力があるかも、ないかも。
「…まったくもう。」
そう言って、ベッドから離れる足音がした。よし、安心して寝れる。そう思って、俺はシーツを少しあげた。
「う、そ」
ベッドのすぐそこにそいつ居た。
「うあぁぁ!?」
そのまま、俺はベッドから飛びのくように、落ちた。
「よし!やっと起きたな!!」
満足そうな声がする。なんだよ、ただ朝起きるだけで俺はどうして満身創痍になんないといけないんだ。そう思いながら、声の主を見る。
「おはよう」
にこりと笑う、我が幼なじみの笑顔。まるで今天に昇り始めた太陽のように輝いている。
また日は昇り朝は来る
この目が開く時は・・・俺の平凡と憂鬱の始まりを告げる幼なじみがやってくる。