Magician of Black―魔導管理局の黒き死神―
《世界観》
魔術と科学が共存する世界。
人間とは異なる種族『魔法使い』が存在する。また、魔術が使える人間を『魔術士』『魔導士』という。
人口の割合として魔術士・魔導士は3〜4割、魔法使いは1〜2割程度となっている。
一般の人々にも魔術という存在は知られているが、使用することはできない。訓練を受けることにより、使用が可能となる。
魔力を受けて突然変異を起こした動物『魔獣』が存在しており、人々の脅威となっている。
《用語解説》
□魔力
生物の中にある特殊な力。生命力と関連するものとされているが、科学的解明は現時点でもされていない。
魔法使いはその力を自由に行使することが可能であるが、人間はアイテムなどを用いなければ使用することができない。
魔力の大きさには個人差があるが、訓練により拡大することは可能。しかし、自身の容量(=パワーランク)よりも大きなものを使用すると、魔力の暴走が生じる恐れがある。また、人間が強すぎる魔力や魔力の含まれたアイテムを持つと、暴走のリスクが上昇する。
また、魔力を含んだ鉱石『魔鉱石』というものがあり、これは魔力を結晶化されたもの、とされている。生成過程は不明であるが、生命の体内に魔力が急激に入り込むことによって結晶化されるという説が有力とされている。
□魔力波動
生物の身体から微量に放出される魔力のこと。一般的には『オーラ』と呼ばれる。
これを用いることで魔力を持つ者がどこにいるのか探索できたり、相手の使う魔術の系統がわかったりする。
□魔術
魔力を用いて起こす特殊な現象の総称。
発動させるには魔法陣と呼ばれる魔術の発動経路を示した設計図を出すことが必要となる。魔法陣は魔力波動を具体化させて発光させることによって示す。
魔法使いの場合はアイテムを使用せずとも魔術を発動させることが可能だが、魔術士・魔導士の場合はアイテムを用いなければ発動できない。
□魔術属性
魔術の系統としては赤(火系)、青(水系)、黄(土系)、緑(風系)、白(光系)、黒(闇系)の六種類に分けられる。一般的に『カラーコード』と呼ばれて分類されている。
魔導管理局が規定するカラーコードはその魔術使用者が優位に使うことが出来るものとしているが、その色の魔術しか使えないという意味ではない。
二色以上の魔術を組み合わせて発動させることも可能であるが、使えるのは魔導士のような強い魔力を持つ者に限られる。魔術の組み合わせは最高三色までが可能であるが、三色の魔術を使用できるのはパワーランクAAA+以上の者のみである。
□アイテム
主に魔術士・魔導士が使用する魔術補助具の総称。一般的に使用されるのは『ロッド』と『カートリッジ』。
ロッドは『出力器』のうちの一つであり、魔法陣を形成するための魔力波動の発光を補助するためのもの。また、ロッド自体にも魔力が含まれており、使用者の魔力を増強させる効果もある。形には様々な種類があり、杖状のものやハンマー形、銃形、バトン形なども存在する。また、ロッド自体を変形させて、剣や鎌の形にする術者もいる。
カートリッジは『入力器』のうちの一つであり、魔法陣を形成するための設計図のようなもの。魔法陣の元となる『魔術コード』を記すことによって、具体的にどのような魔術を発動させるか示す。それがロッドによって魔法陣となって形成され、魔術が発動できる。
また、『ストーン』と呼ばれる『入力器』もある。これは魔鉱石自体に魔術コードを入力させることにより、魔力を直接受けた強力な魔術を使用することができる。ただし、ロッドやカートリッジを用いた魔術よりもコントロールが必要となる。
□魔獣
魔力を受けて突然変異を起こした動物。特徴としては、牙や爪が鋭くなり、攻撃に特化しているところが挙げられる。魔力は持っているが、魔術は使えない。
一般の動物に比べて生命力が強く、通常の物理攻撃だけではすぐに回復してしまう。そのため、攻撃には魔術が有力とされている。
魔獣を倒すと、その身体は砂のようなものとなって弾け、骨などは残らない。変わりに、魔獣の魔力の源とされる魔鉱石だけが残る。
□魔導管理局
魔術関連のことを管理する組織。主な仕事としては魔法使い・魔術士・魔導士の登録・管理を行ったり、魔術関連の事件の解決・究明を行ったり、アイテムの開発を行ったり、魔術指導訓練所で魔術の教育を行うなど多岐にわたる。
部隊としては『機動部隊』(全三隊)『保健検査管理部』『情報管理部』『教育管理部』『統率部隊』に分けられる。
□パワーランク
魔導管理局で規定された魔力の容量。
一番低いものからE・D・C・C+・B・B+・A・A+・AA・AA+・AAA・AAA+・Sとなっている。
Eは魔術の使用できない一般の人間のランクであり、D〜B+までの魔術を使用できる人間を魔術士、A〜Sまでの魔術を使用できる人間を魔導士と呼ぶ。
昇格試験や実績を認められることでパワーランクを上げることは可能である。
現在の魔導管理局の最高ランクはAAA+とされており、Sランクは存在しないとも言われている。
□ドール
魔力の強い者(基本的には魔法使い)が作りだした存在。人間と同じ姿をしているが、人ならざる存在である。魔鉱石を『コア』と呼ばれる原動力(=心臓)とし、自身と契約を結んだマスターの魔力と『コア』の魔力を組み合わせて活動する。
感情や意思はなく、契約を結んだマスターの指示に忠実に従う。そのため、知識の偏りがみられることもある。
□バディ
魔法使い、魔導士など強い魔力を持つ者が動物に魔力を与えて契約を結び、自分に従わせた存在。従わせた、と言ってもその動物の意思は存在している。また、魔力を用いたテレパシーで会話をすることが可能となる。
契約を結んだマスターの力とバディの力は比例する。