『好きなんだから、仕様がない』

 

会いたい、会えない……。私は溜息をつき、花占いをしていた。

彼の者を想い描き、コスモスの花弁を1枚ずつちぎる。散っていく姿は、孤独に消えていくように儚い。

誰もいない、コスモスの花畑。青空が異様に、晴々としている。2匹の蝶が舞い、踊りながら天へと向かう。

会いたい、会えない、会いたい……。花弁を丁寧にちぎり――繰り返すうちに、最後に1枚だけが残った。

会えないか……。肺の奥の空気を吐いた。長く、深くと。私は手に持つ、コスモスを眺めた。

今にも、花弁が散りそうな予感をする。虚しさからか。心にざわめきが潜む。

「こんなところで、何をしている?」遠くからの、低い男の声。

振り返ると、黒の制服を着た青年が立っていた。天然質の茶髪がそよ風により、なびかせている。

ダークブラウンの瞳が、こちらへと真っ直ぐに射てる。成海幻暗。私が想像した主人公キャラである。

「何って……花占いよ」彼を見上げている格好で、何気なく話す。

「はっ!物好きな奴だ」そう言う彼の声には、嘲りが含まれていた。

占いには皆無で、自分の信念に忠実であろう。幻暗は腕を組み、冷淡に問いかける。

「くだらない花占いで、何を考えていた?」その問いに、私はふてくされて答える。

「あんたには、関係ないでしょ」もちろん、言えるはずがなかった。

目の前の相手の事を……私が想っていることなんて。

幻暗は一瞬、顔をしかめたが、すぐに切り直した。腕組みを解き、片手で誘導する。

「――イオリア、こっちに来い」手招きする幻暗に、私は首をかしげた。

「いいから、来い」状況を読めない私に、彼は無愛想な顔で命令をした。

何だろう?私は興味本意になって、無意識に近づく。

私の後ろ頭に、彼の右手が伸ばされる。顔を近づけからの、勢いづけた接吻をした。

強引で力強い、熱いキスだ。とろけそうで、燃えそうだ。

私の腰には、幻暗の温もりのある左手が支えている。私が落ちないように、しがみつく形となって。

しばらくすると、顔が離れた。私は潤みそうになるのを堪え、相手の顔を覗き込んだ。

真っ赤に染めつつ不敵に笑う、相手の素顔がそこにあった。

「何度言えば、わかる?お前は――俺の想像師なんだろう?お前が考えていることは、俺には筒抜けだ」

吐息が漏れ、お互いの顔が触れ合う一歩手前。胸が苦しそうになった。

もう一度、幻暗は私に対して、キスを繰り返す。その行為すら、惹き合う原因となっていくのだろうか。

魂が1つになり、溶け合う契約。これが、想像師と想像される者の、不可解な関係なのかもしれない。

……触れるうちに、好きになったかもね。幻暗と出会った頃から、運命が決まっていたものだ。

好きなんだから、仕様がない。その言葉は、自分の胸に仕舞った。

 

<終わり>

 

 

君が望む世界詩』のこたつむりさまから頂きました!

こたつむりさまの作品、『イオリア物語〜消えた原稿〜』から主人公イオリアとメインキャラクターの幻暗くんのいちゃいちゃした話をリクエストして書いていただいた文章です。

バトン内で「二人のいちゃいちゃした話が読みたい!」と言ってみたら書いていただけました。世の中言った者勝ちだと強く感じました(笑)

内容は桃月の大好きな二人が本当にお熱くて……! 二人とも超幸せになれ! 愛してる!!

相変わらずイオリアに対してそっけない幻暗くんがかわいすぎてにやにやしてしまいました。幻暗くんかわいいよ幻暗くん

素敵なお話をありがとうございました!

 

 

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